こんにちは。あいあい整骨院大安寺院です。
岡山学芸館高校が第101回全国高校サッカー選手権大会で優勝!!
岡山県勢としては初の全国制覇を達成したようです。
地元岡山に明るいニュースを届けてくれましたね。
今回はそのサッカーで生じる、足に多い怪我トップ5とその予防法(動画付き)についてご紹介していきます。

目次
1位 鼠径部痛症候群(グロインペイン症候群)

〈怪我・症状〉
ランニングや起き上がり、キック動作などで鼠径部(そけいぶ)やその周辺に痛みが生じます。
〈痛みの原因〉
股関節の可動性や体幹筋力の低下に伴う動作の不安定性。身体のコントロール力低下が痛みの原因となり痛みが生じます。
全身の身体機能が低下することで起こるため、一度発症すると慢性化しやすく、治ったあとも身体機能が低下する度に再発してしまいます。また、練習内容や練習の頻度・環境・生活習慣などの影響も考えられるため、痛みの原因をひとつに絞ることが難しいと言われています。
〈治療法〉
鼠径部痛症候群(Groin pain syndrome)は早期発見がとても大切です。痛みを我慢し続けて慢性化すると復帰がどんどん遅くなってしまいます。痛みが続くようであれば早めに受診することをお勧めします。
治療としては以下を中心に行っていきます。
- 股関節・体幹の可動域訓練
- 筋力増強運動(トレーニング)
- 動作訓練
〈治療期間・回数・予防法〉
早期競技復帰のためには以下の4つのポイントを意識しましょう。
- 痛みが出た後、無理にそのままプレーを続けない
- 股関節周辺の拘縮予防や筋力低下の予防
- 運動前の準備運動に体幹から下肢を効果的に連動させる協調運動を取り入れる
- オフ明けは注意!(協調運動を取り入れた準備運動を十分に行う)
多くの場合は1~2か月の期間に改善されますが、中にはこの痛みが数か月以上続いてしまうことがあります。
2位 鵞足炎(がそくえん)

〈怪我・症状〉
鵞足とは縫工筋、薄筋、半腱様筋の脛骨内側部への腱付着部の総称であり、ここに生ずる炎症のことを鵞足炎と言います。
〈痛みの原因〉
ランニング、ダッシュ動作が多いスポーツ選手によく見受けられます。オーバーユースによって生じることが多いですが、その他にも以下の場合にも痛みが起きる原因となります。
- 鵞足を構成する筋肉の柔軟性低下
- 運動前のウォーミングアップ不足、運動後のクールダウンの不足
- 足に合っていない靴、硬い路面での歩行・運動
〈治療法〉
まずは筋の走行に沿って触診し、痛みの有無・部位を特定します。
急性期で炎症の強い場合は、まず患部を安静にしアイシングなどで炎症の鎮静化を図ります。
症状が初期のものや炎症が引いた後は、筋肉の緊張を取る手技を施したり、電気刺激療法で筋肉の緊張緩和を行うこともあります。また、ランニングフォームの改良指導、練習前のウォーミングアップ、ハムストリングスのストレッチング指導といった運動療法を取り入れたり、症状が長引くものについてはテーピングやインソールなどを検討します。
当然ながら、痛みがある間はランニング量(スポーツ活動)の調節・中止や、練習後のアイシングが大切になり、指導を行っていきます。
〈治療期間・回数・予防法〉
痛みの状態によりますが、スポーツの制限を厳守すれば1~2週間程度で症状が消失します。制限できない場合などは、早い方だと1ヵ月程度、長くかかる方は1~3ヵ月程度かかる場合があります。
鵞足炎のテーピング例
3位 足関節内反捻挫

〈怪我・症状〉
足首の外側に腫れや内出血、痛みが出ます。捻挫の程度によっては足を着いて歩くことが難しい場合もあります。
〈気を付けたいポイント〉
捻挫をしても歩くことや走ることが可能な場合、自然回復を待って放置してしまうことが多々あると思います。そして「たかが、足首の捻挫」という認識により、正しい診断と治療が行われないと、靭帯修復が進まず後々痛みが残ることがあります。
靭帯が伸び切った状態でスポーツなどを行うと、足首の不安定性が改善していないため再受傷する可能性も高くなり、靭帯による制動が効かず足首をかばった状態で動作をする事により他の関節に負担がかかり、膝や股関節の怪我につながりやすくなります。
〈痛みの原因〉
外反捻挫に比べて、なぜ内反捻挫の方が多いのかは大きく3つの理由があります。
関節の構造特徴
くるぶしの長さは内側と外側で違いがあり、外くるぶしの方が長く、内くるぶしが短い構造をしています。内くるぶしの方が短いため、内への捻りに対して弱く、内反捻挫が多くなります。
筋力バランス
足の外側と内側の筋力を比較すると外側は内側の筋力の半分くらいしかありません。そのため、内反捻挫を防ぐ筋力が弱いことも痛みの原因の一つと言われています。
靭帯の強さ
足関節には外側と内側に靭帯があります。外側には(1)前距腓靭帯(ぜんきょうひじんたい)、(2)踵腓靭帯(しょうひじんたい)、(3)後距腓靭帯(こうきょひじんたい)。内側には(4)三角靭帯(さんかくじんたい)という靭帯が幅広く付着しています。内側、外側に付着しているそれぞれの靭帯は強さ(強度)が異なり、外側が3つの靭帯で支えているのに対し、内側は1つで支えています。
したがって外側の靭帯は弱く、捻挫をした際に損傷しやすい構造となっているため、内反捻挫が多く発生します。
〈検査〉
まずは触診で自覚症状や腫れのある部位だけでなく、足首の周囲の組織も押して痛み(圧痛)があるかを確認し、どこの靭帯・骨が損傷しているか確認します。
その後、前方引き出しテストや内反ストレステストなどを行います。痛みが生じた部位を明確にすることで、どこの靭帯が損傷したのかを判断するための情報の1つになります。
捻挫と思いがちで実は剥離骨折だったというケースもありますので、鑑別を行うためにエコー検査を行って患部の状態を確認することもあります。
〈分類・治療期間・治療法〉
Ⅰ度損傷(軽症):靭帯繊維の軽微な損傷
軽く腫れて弱い痛みがある状態。内出血は少なく足を着いて歩ける事が多い。
【治療期間】2〜3週間
【関節の不安定性】ほぼ無し
【固定方法】固定なし、もしくは1〜2週間サポーター固定。
【治療のながれ】日常生活は痛みに応じて特に制限は無く、痛みがなくなり次第運動を再開します。
Ⅱ度損傷(中等症):靭帯の部分断裂
Ⅰ度よりも強い内出血と腫れ、痛みはあるが足を着いて歩ける、もしくは着けない。
【治療期間】4〜8週間
【関節の不安定性】軽〜中等度の緩み
【固定方法】サポーターもしくは短期間のシーネ固定
【治療のながれ】痛みのため足を着いて歩けない場合は数日間のシーネ固定と松葉杖による免荷重を行います。体重は無理にかけず、痛みに応じて少しずつかけるようにします。
可能な場合は早期からリハビリを行い、靭帯の修復促進と足関節の機能低下を予防していきます。
スポーツを再開する際は片足爪先立ちやジョギングが無理なく出来る様になり次第、徐々に強度を上げていくようにします。
Ⅲ度損傷(重症):靭帯の完全断裂
Ⅱ度の症状がさらに悪化、痛みと腫れが強く、足を着いて歩けない。
【関節の不安定性】強い
【固定方法】シーネもしくはギプス固定とリハビリテーションもしくは靭帯再建術
【治療のながれ】不安定性が強くない場合には保存療法を行いますが、不安定性が強い場
合には手術を行う場合もありますので、基本的に当院ではⅢ度損傷に該当する場合は固定の後、病院へ搬送する対応を行います。
足関節内反捻挫のテーピング例
4位 踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)

〈怪我・症状〉
足の踵に痛みや腫れが出る怪我になります。
特に男の子に多くみられ、10歳前後の学童期にサッカーや野球、バスケットボールなどのスポーツをしている子どもが発症しやすい病態です。
〈痛みの原因〉
痛みの原因としては主に3つあります。
- アキレス腱・足底腱膜(足裏)などが硬くなっている
- 急に運動を始めたり、急に練習量が増えたことによる使いすぎ(オーバーユース)
- 姿勢やフォームの未熟さによる踵への負担が集中することによって
アキレス腱と足底腱膜はどちらも踵の骨に付着しています。これらが硬い状態でダッシュやジャンプなどの激しい運動を繰り返すと、踵への負荷が大きくなりすぎ、炎症を起こしてしまいます。
〈治療法〉
基本的にはスポーツ活動を中止し患部を休めることが治療の中心となります。
その上で以下のアプローチをすることも有効です。
- アイシング(氷)で踵の周りを冷やす
- ストレッチ
- サポーターで固定
- 消炎鎮痛剤(湿布薬など)
- 低周波や温熱療法(お風呂で温めることも◎)
- 装具療法(クッション性の高い靴のインソール、アーチパッドなど)
歩行時にも痛みがある場合には松葉杖を使って踵への負担を軽減させるケースもあります。
また、足のアライメント異常がある場合は正しい姿勢が取りづらく、踵へ負担がかかって再発しやすくなります。そういった場合には、アライメントを整える手技を行います。
〈治療期間・回数・予防法〉
運動時だけ痛みがある間は、踵(患部)に負担をかけないよう安静にし、運動量を減らす調整を行う必要があります。
また、歩くだけでも痛みがある場合は、しばらく運動を休んだ方が良いでしょう。
患部の状態を確認しながら少しずつ施術を行っていき、徐々に運動量を元のレベルに戻していきます。
一般的には1~2か月でこれまで通りのスポーツ復帰が可能となるケースが多いです。
踵骨骨端症のテーピング例
5位 有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)

〈怪我・症状〉
内くるぶしの下方の腫れ・熱感、同部の圧痛、運動時痛が主な症状になります。
〈痛みの原因〉
痛みが起きる原因としては大きく2つあります。
- 捻挫、打撲、靴による圧迫など
- 後脛骨筋による筋肉の牽引力によって
また、偏平足や過度なスポーツ活動によってより後脛骨筋による外脛骨への牽引力を強め、痛みを引き起こしやすくなります。
〈分類〉Veitich分類
TypeⅠ:後脛骨筋県内に種子骨として存在
TypeⅡ:舟状骨粗面部と線維性に結合
TypeⅢ:舟状骨と骨性癒合している
このうち、Type IIが疼痛の原因になることが圧倒的に多いです。
〈治療法〉
まずは局所の安静を行います。その後、足部の運動療法、物理療法などを行っていきます。症状が治まらない場合は足底板を装着し症状の改善を図ります。
運動療法で患部に負担のかからない歩行動作などを指導していくほか、タオルギャザーという土踏まずを支える筋肉のトレーニングを行ったり、腓腹筋や後脛骨筋のストレッチを行います。
また、症状に合わせて物理療法を実施し、こちらでは温熱療法、電気刺激療法により筋肉の緊張緩和を行います。
〈治療期間・回数・予防法〉
有痛性外脛骨は安静にしていても改善に時間がかかるとされます。3~4ヶ月はかかる方が多く、またそれでも症状が改善しない場合もあります。半年から数年かかることも珍しくありません。
有痛性外脛骨のテーピング例
まとめ
これらに当てはまらないサッカーでの足の痛みもあると思いますが、スポーツ活動で足に痛みが起こるのは当然のこと。
日常生活においても大きな影響を及ぼしますので、お悩みの方は一度、あいあい整骨院にご来院いただければと思います。