こんにちは!あいあい整骨院大安寺院の中原です!
今回は“空手”とはどういったスポーツなのかと、空手に多い足のケガと応急処置についてお話していきたいと思います。
目次
空手とはどんなスポーツ?
現在、空手の競技人口は国内で約300万人、世界では173の国や地域で約4,000万人もの人が競技をしています。
空手の歴史は古く、生まれたのは現在の沖縄県。琉球王国であった時代に、拳や足を駆使する打撃技が主体となる武術として形成されていき、次第に沖縄の拳法と中国武術が融合。さらには日本武術の影響も加わり、現在の空手へと発展していったようです。
空手には型(形)と組手があり、昔からこの二つを練習することが基本となっています。
型(形)とは
一人で演武する空手の練習形式を型(形)と言います。各種の技を決まった順序で演武し、演武時間は型によって数十秒から数分間続きます。修業者は型の練習を通じて、空手の基本的な技や姿勢を身につけるだけでなく、組手などへの実践応用に必要な空手独特の身体動作を身につけることができるとされています。
組手とは
主に二人で相対しておこなう練習形式を組手と言います。決められた手順に従って技を掛け合う「約束組手」、自由に技を掛け合う「自由組手」、さらには勝敗を目的とした「組手試合」が存在します。
型と組手のどちらが主であるかは、時代と共に変化してきているようです。かつては型の修行に最も価値がおかれていたこともあったようですが、近年では試合制の導入などにより組手重視の傾向にあるようです。
このように空手は日本発祥のスポーツですが、今や日本だけでなく世界各国でプレーされるようになってきました!また、最近では2020年東京オリンピックの追加競技として行われ、より人気が出てきているスポーツの一つといえるでしょう!
この記事をお読みの皆さんもご自身や周りの方で“空手”をやっていた!やっている!という方は多いのではないでしょうか?
とある記事によると、子どもの習い事で“空手”を習わせる親御さんは多く
- 礼儀礼節が身につく
- 体だけではなく「精神面」も鍛えられる
- 集中力が身につく
- 自信が身につく
- 相手の痛みを分かる子になる
といった理由で幼少期の頃から空手を習わせる方が多いようです。
“空手”の中でも大きく分けて二つの種類があり
極真(きょくしん)空手 | 伝統(でんとう)空手 |
① 当ててもOK
② 下段(下半身)への攻撃やヒジ打ちOK ③ 相手を倒したら勝利 |
① 基本的に寸止め
② 防具を付けることが多い ③ 試合はポイント制 |
があります。
今回は特に相手との接触がある極真空手で、相手を突いた際に多い足のケガと応急処置についてまとめていきたいと思います。
空手で起こる足のケガ
空手は基本的に打撃系格闘技であるため、攻撃する側も受けにまわる側も接触外傷が多い特徴があります。特に攻撃で蹴りを行った際は小指(第5趾)が最も当たりやすく、ケガが好発する部位の一つになります。国際空手道連盟極真会館医事委員会がまとめている負傷部位別をまとめたものを見ても
1位 足(49%)
2位 手(28%)
3位 顔(13%)
4位 胸(10%)
と足のケガは全体の半数近くとなっており、ケガの部位としては非常に多いことが分かります。また、同委員会がまとめている症状別トップ5は以下のようになっており、骨折や打撲だけで全体の6割を占めています。
場合によって骨折や打撲だけでなく、関節を形成している骨が完全に離れる“脱臼”を起こしていることもありますので、症状を軽く見ず、この後にまとめる応急処置をまずおこなっていただき、病院や整骨院を早期に受診するのが良いでしょう。
空手で多く発生するケガや部位を知ったうえで、それぞれのケガがどういった時に起こりうるのかとケガをした時の応急処置についてお伝えしていきたいと思います。
1位 骨折(41%)
- 組手競技において相手と接触することで自らが受傷
- 腹部への突き・蹴りによって相手が受傷
- 頭部への突き・蹴りによって相手が受傷
- 蹴りまたは踏み込み時に互いが受傷
- 基本動作練習において他の選手と接触し受傷
といったように様々なシチュエーションで受傷し骨折してしまうことが多いです。
特に基節骨という足の骨の先端はヒビが入りやすく、基節骨骨幹部は斜めに骨折しやすいという特徴があります。また、中学生ぐらいまでは基節骨の根元に骨端線という骨の成長する部分があり、そこは外力に弱いため、骨折しやすいです。骨端線を損傷すると成長障害を起こしてしまう可能性もあるので、適切な処置・対応が必要です。
親指の末節骨は粉砕骨折といってバラバラに折れるような折れ方をすることがあります。
2位 打撲(19%)
- 腹部への突き・蹴りによって相手が受傷
- 頭部への突き・蹴りによって相手が受傷
- 蹴りまたは踏み込み時に互いが受傷
- 基本動作練習において他の選手と接触し受傷
といったことで打撲を負うことがあります。
特に腹部へ突きや蹴りを受けた際は肋骨の骨折を負うこともあり、それ以外にも内臓を損傷することもあるので経過を十分に見る必要があります。
3位 損傷(17%)
- 頭部への突き・蹴りによって相手が受傷
といったことで損傷することがあります。
特に頸部への損傷は場合によっては脳震盪のような症状を起こすことがあり、一時的に意識が無くなることもあるので注意が必要です。
4位 裂傷(12%)
- 組手競技において相手と接触することで自らが受傷
- 頭部への突き・蹴りによって相手が受傷
- 蹴りまたは踏み込み時に互いが受傷
といったことで裂傷を負うことがあります。
出血を伴う場合は感染症の可能性もありますので、手袋等を着用し直ちに止血を行うことが大切です。
5位 捻挫(11%)
- 型(形)競技において自らが受傷
といったことで捻挫を負うことがあります。
捻挫と思い込んでも剥離骨折などの骨折をしている場合もありますので、直ちに応急処置を行った後、病院や整骨院早めに受診するのが良いでしょう。
ここまでそれぞれのケガがどういった時に起こりうるのかまとめていきました。最後に、それぞれのケガが起きた時にどういった応急処置をすればよいのかお伝えしていきたいと思います。
応急処置
まず、出血を伴う場合は止血を行うことが最優先となります。感染症を引き起こさないためにも手袋などを着用したのちに止血に当たりましょう。
痛めた箇所が腫れている(腫脹)、熱い(熱感)、痛みがある(圧痛、歩行痛、軸圧痛など)といった症状が見られる場合、何かしらの組織が損傷されている可能性があります。
そういった場合、RICE処置という応急処置をおこなうのが良いとされています。
R…Rest(安静)
I…Ice(冷却)
C…Compression(圧迫)
E…Elevation(挙上)
これらはケガをした際に基本となる応急処置になりますので、これを機にしっかりと覚えて頂ければと思います!
実際に行うときは写真のように患部を冷却できるものを準備し、包帯などで固定→挙上し受傷者を安静にさせます。
また、患部をしっかりと冷やすアイテムとして“ポイントコールド”というものもあります。圧迫できるようなものが近くになければ氷嚢で患部を冷やしたり、このようなものを使って冷やすのも良いでしょう!
空手で起こる怪我のまとめ
当院では患者さんの状態に合わせて施術をおこなっており、場合によってはテーピング固定やエコー検査なども行っております!
また、骨折等が疑われる場合は病院への紹介も行っておりますので、本記事をご覧になってご自身はもちろんのこと、身近な方でケガをされた方がいらっしゃいましたら一度ご相談いただければと思います。