こんにちは、あいあい整骨院津山院の小林です。
整骨院で勤務している柔道整復師は学校の授業で柔道があり、また治療に関しても柔術の活法を用いている為、我々柔道整復師は柔道と深い関わりがあります。そして今回は治療でもよく行う柔道での腰の痛みに関して原因や治療法について書かせていただきますので、最後までお読み頂ければと思います。
柔道では投げ技によって腰を曲げる(屈曲)、腰を捻る(回旋)などの動きを行います。その時に相手選手の体重もかかる為、腰を負傷する事が多くあります。
では柔道で起こりやすい腰の疾患の2つを説明していきます。
目次
腰椎分離症(ようついぶんりしょう)
腰椎分離症は、椎弓(ついきゅう)と呼ばれる腰椎の後方部分が離れた状態のことをいいます。椎弓の斜め後方部分は細く衝撃に弱いため、何度も同じ動作やスポーツなどで激しい運動を繰り返していると疲労骨折により亀裂が入ることがあり、それが進行すると椎体と椎弓が分離してしまった状態です。また第5腰椎に起こりやすいとされており、この部分での脊椎の傾斜が大きく、負担がかかりやすいためです。また椎弓の左右両側が分離した場合は、腰椎が前にずれる腰椎すべり症に進行していく場合もある為、注意が必要です。
腰椎分離症は成長期に多いとされており、骨が未発達な成長期において、柔道以外にもバレーボールやサッカー、バスケットボール、野球など、身体の前後屈や腰のひねり、ジャンプからの着地といった動作を繰り返すスポーツの過度な練習が原因となるケースが多いとされています。主に12〜15歳の男児に多く、一般の方で約5%、スポーツをされる方では約30〜40%が腰椎分離症を起こしているといわれています。
しかし、練習し過ぎて必ず腰椎分離症を発症するわけではなく、体質的な要因も影響すると考えられています。体幹の筋力の弱さや、柔軟性の低下が原因になることや、まれに先天的な原因で発症する場合もあります。部活動などでお子様が腰痛を訴えた場合は病院や整骨院などに一度受診に行くことをお勧めします。
腰椎分離症の治療法
あいあい整骨院での腰椎分離症の治療はまず、行っているスポーツの中止を患者様にお勧めしています。
なぜなら上で記載した通り、腰椎分離症は腰椎の疲労骨折を起こしている為、骨癒合(骨がくっつく)の期間が必要になります。早期に発見できた場合は約3カ月かかるとされ、発見が遅れ慢性期の場合には完全に骨が分離してしまうと、骨癒合する事はあまり期待できません。その為、慢性期の場合は痛みと付き合いながら、腰部に負担がかかりにくいような身体を作っていく必要があります。
早期の場合、まずスポーツを中断し、普段からコルセットをつける事が必要です。
また、治療では身体のバランスを整える為に、当院ではトータルバランス療法を行います。
トータルバランス療法によって身体を上手く使えるようになれば、腰にかかる負担が減り、症状の緩和が見込めます。
早期では痛みは軽減するためスポーツの復帰が早すぎることもあり、再疲労骨折を起こすこともあるため注意が必要です。
慢性期に関しても、治療は早期と同様に行ない改善を促していきます。
また、腰にかかる負担を軽減できるように自宅で行えるストレッチも指導させていただきます。
治療の間隔は最初の2週間は1週間に2回来院していただき、痛みが軽減していれば、1週間に1回の来院で様子をみていきます。
腰椎椎間板ヘルニア(ようついついかんばん)
腰椎椎間板ヘルニアを説明していきます。
まず椎間板とは、背骨にある椎体(ついたい)と椎体の間にある繊維軟骨の事です。椎間板の中央にはゼリー状の髄核(ずいかく)があり、髄核の周りにはコラーゲンを豊富に含んだ線維輪(せんいりん)があります。椎間板は髄核と線維輪の2つの組織により構成されています。
次にヘルニアとは体内の一部があるべき所から飛び出てきてしまった状態の事をいいます。でべそや脱腸もヘルニアに含まれます。椎間板ヘルニアとは、線維輪に切れ目ができ、髄核が外に飛び出すことで、腰の痛みや下肢の痺れなどの症状が現れる疾患です。
椎間板ヘルニアの患者の数は女性と比べると男性が2倍ほど多く、年齢別にすると10代~40代に多くみられる病気です。
椎間板ヘルニアのタイプ
椎間板ヘルニアは大きく分けて、突出型と脱出型の2つのタイプがあります。
突出型
線維輪の切れ目が少なく、髄核が線維輪から飛び出さないが、髄核が後方へ移動して神経の一部を圧迫するタイプです。
脱出型
椎間板が傷む事により、線維輪に切れ目が入り、髄核が線維輪を突き破り神経を直接的に圧迫するタイプです。
腰椎椎間板ヘルニアの原因
腰椎椎間板ヘルニアは、加齢、日常生活の負担による椎間板の老化が主な原因となります。
本来、椎間板の中の髄核は水分で満たされていますが、加齢や日常生活での負担とともに線維輪に切れ目が入る事で髄核が線維輪から漏れ出し、水分が無くなることで薄くなり潰れた状態になります。
特に激しいスポーツを行うことや日常生活で重たい物を持ち上げる、長時間のデスクワークなどが椎間板を痛める原因になります。
腰椎椎間板ヘルニアの治療法
あいあい整骨院での腰椎椎間板ヘルニアの治療はまず、テストを行い他の疾患との鑑別を行います。ヘルニアの検査が陽性だった場合、急性期では患部に炎症が発生している事が多く、患部をアイシングしながらトータルバランス療法を行い、全身のバランスを整え、腰にかかる負担を軽減していきます。また、慢性の場合でも、アイシング以外は同じ方法で治療を行っていきます。
治療の間隔は腰椎分離症と同様、最初の2週間は1週間に2回来院していただき、痛みが軽減していれば、1週間に1回の来院で様子をみていきます。
腰に痛みがある時のストレッチ方法
次に、腰に負担をかけない筋肉のストレッチを紹介します。
腸腰筋ストレッチ
伸ばす側の膝を地面につけて、反対側の足は前方におきます。
身体を前に移動し、股関節の前辺りが伸びていれば正解です。
15秒×左右3セット行うようにしてください。
大腿四頭筋ストレッチ
伸ばす側の足が上になるように、横向けに寝ます。
上にある足首辺りを持ち、お尻につくように曲げて下さい。
15秒×左右3セット行うようにしてください。
ジャックナイフストレッチ
しゃがんで足首を持ちます。
足首を持ったまま、出来るだけお腹と太ももが離れないように、脚を伸ばします。
20秒×3セット行うようにしてください。
ストレッチはなるべくイタ気持ち良いぐらいで行って下さい、痛みがきつすぎたらすぐ中止してください。
まとめ
今回は柔道で起きやすい疾患を2つ紹介させていただきました、ご自身やお子様などが柔道をしており、腰痛がある場合は専門機関の受診をお勧めいたします。また、あいあい整骨院でも治療を行えますので、お悩みの方は是非一度ご来院ください。
最後までお読みいただきありがとうございます。