こんにちは。あいあい整骨院新保院です。
肩関節や肘関節は、野球をはじめとした投球動作や腕を大きく使うスポーツで酷使されやすく、炎症や筋腱の損傷などのトラブルが起きやすい部位です。
特に肩関節の可動域は非常に広く、安定性よりも運動性が優先される構造のため、筋肉・腱・靭帯による支持機構に依存しています。このため、使い方やフォームの誤り、過剰な負荷が加わると簡単に炎症や損傷が発生してしまうのです。
本日はスポーツ障害の中でも代表的な「野球肩」について、その種類と発症メカニズム、そして当院での治療方針をわかりやすく解説していきます。
目次
野球肩とは?
野球肩とは正式な診断名ではなく、投球などの反復動作によって肩関節周囲に起こる様々な障害を総称した言葉です。医学的には「投球障害肩」とも呼ばれます。
野球選手、特に成長期の投手に多く発症しますが、バレーボール・ハンドボール・テニスなどでも同様の肩障害が起こります。原因の多くはオーバーユース(使いすぎ)によるもので、投球時の動作フェーズ(特にコッキング期〜加速期)で肩関節に大きな牽引・圧縮ストレスが繰り返し加わることで組織が損傷していきます。
投球中だけでなく、症状が進行すると日常生活動作(髪を洗う・物を持ち上げる)にも支障をきたすようになります。
野球肩の主な種類
野球肩に分類される代表的な障害を以下に紹介します。
- 肩峰下インピンジメント症候群
- 上腕骨骨端線離開(リトルリーグショルダー)
- 腱板損傷(部分断裂・全断裂)
- 肩甲上神経損傷
- 動揺性肩関節症(ルーズショルダー)
肩峰下インピンジメント症候群
「インピンジメント」とは衝突の意味で、上腕骨頭が肩峰や烏口突起などと擦れ、挟み込まれることで炎症や腱の変性が進行する障害です。
特に、肩を上げていく途中(60〜120°の間)で痛みや引っかかりを感じ、「それ以上挙げられない」「力が入らない」といった症状がみられます。これを「ペインフルアーク症候群」とも呼びます。

この障害は段階的に進行し、第1期〜第3期に分類されます。以下で詳しく解説します。
第1期(急性炎症期)
過度な投球や衝撃により、肩の腱(特に棘上筋腱)に微細な損傷や炎症が起き、血流や浮腫の増加が見られる状態です。主に25歳以下の若年層に多く、適切な処置をすれば可逆的です。
この段階であれば、あいあい整骨院での保存療法(冷却・消炎・可動域回復)で十分改善が見込めます。

第2期(亜急性炎症期)
腱や滑液包へのストレスが慢性的に繰り返されることで、腱の線維化や滑液包の肥厚が生じ、慢性炎症へと進行している状態です。特に棘上筋の腱や、肩峰下滑液包に炎症が波及しやすく、運動痛や夜間痛が出現しやすくなります。
この段階では保存療法(冷却、温熱、可動域拡大、筋バランス調整)によって改善する可能性があり、あいあい整骨院では手技療法・鍼灸・超音波療法・EMSによる深層筋トレーニングを併用して対応が可能です。
第3期(腱断裂期)
棘上筋腱の完全断裂、肩峰下滑液包の高度線維化・癒着、烏口肩峰靱帯の石灰沈着などが起こる不可逆的な状態です。肩関節の外転・挙上が困難になり、明らかな筋力低下や筋萎縮が認められます。
この段階では保存的な整骨院治療では限界があるため、整形外科でのMRI検査や手術(腱板縫合術・肩峰形成術など)の適応となります。
あいあい整骨院での治療とリハビリメニュー
インピンジメント症候群の第1〜第2期に対して、当院では以下の段階的アプローチを行います。
① 初期(急性期)
- 冷罨法(アイシング)による炎症鎮静
- 患部への負担軽減のためのテーピングサポート
- 可動域制限がある場合はモビリゼーションで改善
② 回復期(炎症軽減〜可動域拡大)
- 鍼治療や超音波療法による局所循環改善
- 肩関節周囲筋群(特に回旋筋腱板)の再教育
- トータルバランス療法による姿勢と骨格矯正
③ 予防・再発防止
- EMSによるインナーマッスル強化
- 肩甲胸郭リズムの再構築
- 投球動作フォームのアドバイスと再評価
すべての施術は「肩だけでなく全身を診る」ことを前提に行います。
次に多い野球肩:上腕骨骨端線離開
別名「リトルリーグショルダー」と呼ばれ、成長期(小中学生)の選手に特有の障害です。まだ骨が完全に固まっていない時期に過剰な投球を行うことで、上腕骨の骨端線(成長軟骨)に離開=裂けが起こるものです。
症状は投球時の鋭い痛みや、投球フォームの乱れです。放置すると将来的に肩の変形や成長障害を引き起こすリスクがあるため、特に早期対応が求められます。
対応方針
この障害に関しては、原則として整形外科での画像診断と安静指導が必要です。あいあい整骨院では、再発予防や回復後の投球フォーム調整・柔軟性回復を目的としたトータルバランス療法とEMS指導を行っています。
肩だけでなく股関節・胸郭の柔軟性も、投球障害のリスク管理に非常に重要です。
腱板損傷(回旋筋腱板断裂)

肩の安定性を担う「棘上筋」「棘下筋」「小円筋」「肩甲下筋」からなる回旋筋腱板(ローテーターカフ)の一部または全部が損傷・断裂している状態です。
痛みや脱力感、夜間痛、腕が上がらない、動かすと肩が引っかかるなどの症状が出ます。
軽度の損傷では保存療法が有効ですが、放置すると拘縮(可動域制限)や筋萎縮を招くため、早期介入が重要です。
あいあい整骨院での対応
関節可動域検査(ROM)や整形外科的テストを通じて、炎症の有無・可動制限の程度を評価し、
- 急性期はアイシング・ハイボルト・手技療法
- 回復期は鍼治療・トータルバランス療法で肩関節の安定性回復
- EMSによる筋力回復・萎縮防止
肩甲上神経損傷

投球のフォロースルー(腕を振り下ろす終末動作)で肩甲骨上角部が圧迫され、棘上筋・棘下筋を支配する肩甲上神経が絞扼(締めつけ)される障害です。
症状は肩のだるさ・疲労感・鈍痛、腕が上げにくい・筋力低下など。
五十肩や胸郭出口症候群と誤診されやすく、肩の一部が痩せた(筋萎縮)などの変化があれば注意が必要です。
あいあい整骨院での対応
整形外科で診断済みであれば、
動揺性肩関節症(ルーズショルダー)
明らかな外傷歴がないにもかかわらず、肩関節に「不安定感」や「脱力感」「抜けるような感じ」がある状態です。
先天的に靭帯が緩い方、関節が柔らかい体質の方に多く、投球やバレーボールのように肩を大きく使う動作で症状が顕著になります。
あいあい整骨院での対応
サルカス兆候(引き下げると関節に隙間ができる)などを評価し、
- 肩関節の安定性を保つための筋力トレーニング(腱板・僧帽筋中部・前鋸筋)
- EMSによるインナーマッスル強化
- トータルバランス療法による骨格の安定化
まとめ
肩関節は多方向に可動する反面、不安定で繊細な構造をしており、スポーツや日常生活で大きな負荷を受ける部位です。
今回紹介したように、野球肩と一口に言っても原因・損傷組織・重症度は多岐に渡ります。
「早期の判断」と「症状に応じた段階的アプローチ」が回復の鍵となります。
肩の違和感や投球時の不調を感じたら、無理をせず一度あいあい整骨院新保院にご相談ください。
国家資格者がしっかり検査・評価し、あなたに最適な施術をご提案します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。