こんにちは。あいあい整骨院 古京町院の河知です。
最近、地元岡山でもバスケットボールの人気が高まってきていますね。特に、岡山を拠点に活躍するプロバスケットボールチーム「トライフープ岡山」の影響もあり、小中学生のクラブチームや部活動でもバスケットに励む子どもたちが増えてきました。
当院にも、トライフープを観て「自分も上手くなりたい!」と頑張る子どもたちがたくさん来院されます。そんな中で非常によく相談を受けるのが「足首のケガ」、いわゆる足関節捻挫です。
今回は、バスケットボールに多いケガのひとつ、「足関節捻挫」について詳しくお話しします。
ジャンプや着地、急な切り返しが多いバスケットボールでは、足首をひねってしまう捻挫がとても多く、当院にもよく相談があります。
軽く見られがちな捻挫ですが、場合によっては骨折を伴っていることもあり、きちんとした判断とケアがとても重要です。今回は、バスケット中に起きやすい足関節捻挫の原因や症状、セルフケア、そして捻挫に伴いやすい骨折についても詳しくご紹介していきます。
1.バスケットボールで起きやすいケガとは?
バスケットボールは、ジャンプ・着地・ダッシュ・急停止・方向転換といった、瞬発的で多方向の動きを多く含むスポーツです。そのため、足首・膝・腰・手首とさまざまな部位に負担がかかります。
その中でも、特に多いのが「足関節捻挫(そくかんせつねんざ)」です。ジャンプの着地時に相手の足の上に降りてしまったり、切り返しの際にバランスを崩したりすることで、足首を内側または外側にひねってしまうことが原因です。
2.足関節の構造と捻挫のメカニズム
足関節(距腿関節)は脛骨・腓骨・距骨によって構成される「滑車関節」です。この関節は上下左右に動く自由度が高く、それを安定させているのが「靱帯」です。
- 外側側副靱帯:前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯の3つ
- 内側側副靱帯(三角靱帯):脛舟部、脛踵部、前後脛距部など
この中でも、捻挫で最も損傷しやすいのは「前距腓靭帯」で、足を内側にひねった際(=内反捻挫)に多く見られます。

3.捻挫の分類と症状
捻挫は靭帯の損傷の程度によって、以下の3段階に分けられます。
程度 | 症状 |
Ⅰ度(軽度) | 靭帯の伸張、軽度の腫脹と圧痛 |
Ⅱ度(中等度) | 靭帯の部分断裂、腫れと内出血、歩行困難も |
Ⅲ度(重度) | 靭帯の完全断裂、関節の不安定感、骨折を伴う可能性 |
典型的な症状としては、足関節の外側の腫脹、圧痛、皮下出血、そして可動域制限です。
4.初期対応が重要!あいあい整骨院での処置内容
足関節捻挫やその疑いがある場合、あいあい整骨院では以下のような対応を行っています。
- 詳しい問診・触診による評価
- 必要に応じて整形外科と連携し、骨折の有無を確認
- 急性期はRICE処置(Rest, Ice, Compression, Elevation)を基本に行います
Rest(安静):無理に動かさない
Ice(冷却):氷で1時間おきくらいに15〜20分ずつ冷やす
Compression(圧迫):包帯などで適度な圧迫
Elevation(挙上):心臓より高く上げて腫れを防止
- テーピング・固定・可動域改善の手技療法
- 超音波・電気治療などの物理療法
固定後の後療法・リハビリの流れ
受傷後、2〜6週間程度の固定期間を経た後は、拘縮予防と機能回復を目的としたリハビリが始めていきます。
- 等尺性運動(固定中も可):足指のグーパー運動、ふくらはぎの収縮
- 関節可動域訓練(固定除去後):足首の背屈・底屈運動
- 筋力強化:腓骨筋群のトレーニング(外がえし運動)
- バランストレーニング:片脚立ちやバランスボード
特にスポーツ復帰を目指す場合は、再発防止のために3〜6か月はテーピングやサポーターの併用が推奨されます。
5.骨折の可能性も?見逃してはいけない症状
「捻挫だと思ったら実は骨折だった!」というケースは決して珍しくありません。特に剥離骨折や距骨骨折など、靭帯損傷と併発することがあります。
また、重度の損傷では「ラウゲ・ハンセン分類(Lauge-Hansen)」という考え方があり、受傷時の足の向きと加わった力の方向で骨折のパターンを分類できます。
ラウゲ・ハンセン分類の4タイプ
分類 | 足の肢位 | 加わる力 | 主な損傷パターン |
回内-外転損傷(Pronation-Abduction) | 回内位 | 外転力 | 内果の骨折や三角靱帯損傷、腓骨骨折など |
回外-内転損傷(Supination-Adduction) | 回外位 | 内転力 | 外側靱帯損傷、踵腓靭帯損傷や外果の骨折、内果の骨折など |
回内-外旋損傷(Pronation-External Rotation) | 回内位 | 外旋力 | 三角靱帯損傷、内果の骨折、前距腓靭帯損傷、腓骨骨幹部の骨折、距骨の脱臼など |
回外-外旋損傷(Supination-External Rotation) | 回外位 | 外旋力 | 前距腓靱帯損傷、腓骨骨折、内果の骨折、三角靱帯損傷、距骨の脱臼など |
この分類によって、単なる「足首の捻挫」として見逃されやすい骨折を、受傷の瞬間の動きから予測・診断することが可能です。
6.セルフケア|再発を防ぐために
【急性期(受傷直後)】
- 氷でしっかり冷やす(1回15〜20分)
- 患部を心臓より高い位置に上げて安静に
- 包帯などで圧迫して腫れを抑える
【回復期】
◎ ストレッチ
- アキレス腱ストレッチ:壁に手をついて、かかとを床につけたまま体を前に倒す(30秒×2)
- ふくらはぎのストレッチ:階段の段差を利用して、かかとを下げる(30秒×2)
- 足首回し:椅子に座り、片足を上げてゆっくり足首を大きく回す(左右10回ずつ)
◎ 筋トレ
- チューブを使った足首外反・内反トレーニング:足にゴムバンドをかけて左右に動かす(10回×2)
- 片足立ちトレーニング:不安定なバランスを鍛える(30秒×2)
- つま先立ち運動:足を肩幅に開いてかかとを持ち上げる(15回×2)
これらのセルフケアは、捻挫の再発予防やパフォーマンス維持にとても効果的です。
■ まとめ|「たかが捻挫」では済まさない意識を
足関節捻挫は、バスケットボール選手にとって非常に身近なケガですが、しっかり治さなければ再発を繰り返し、慢性的な不安定感や変形性関節症にまで進行するリスクもあります。
「あれ、ちょっとおかしいかも」と思ったら、自己判断せず早めに専門家に相談してください。
当院では、スポーツ現場に即した評価・施術・リハビリプランを一人ひとりに合わせてご提案します。バスケを頑張るあなたを、あいあい整骨院は全力でサポートします!