こんにちは。あいあい整骨院新保院です。
今回は手首と指の痛みについて紹介していきます。
最初に手首の構造と動きを解説します。
構造
手関節には手根骨、中手骨、指節骨の3種類の骨があります。手根骨は小石ぐらいの大きさの骨で8個あり、これらが4個ずつ2列(近位と遠位)に並んでいます。
手根骨は8個の集まり、この限られた範囲で多数の関節が発生することで手首を様々な方向へ曲げることが可能になっています。手首に近い列を近位手根骨列と呼び、舟状骨、月状骨、三角骨、豆状骨が含まれます。手首にから遠い列を遠位手根骨列と呼び、大菱形骨、小菱形骨、有頭骨、有鈎骨が含まれます。
動き
手首(橈骨手根関節)で起こる運動は掌屈(屈曲)、背屈(伸展)、尺屈(内転)、撓屈(外転)です。4つの動きを組み合わせることで運動が可能になります。
正常な可動域は掌屈(屈曲)90°、背屈(伸展)70°、尺屈(内転)55°撓屈(外転)25°になります。関節面の掌尺側への傾斜に伴い、掌屈と尺屈の可動域がそれぞれ背屈と撓屈の可動域より大きくなります。これらの運動は主に手根中央関節と橈骨手根関節で行われます。
・傷める原因
手首は酷使や負傷による捻挫、(腱の炎症)や、滑手液包炎(手首の関節を守る液体のはいった袋の炎症)を引き起こし、炎症のため痛みがでる場合あります。他にも手首に体重をかけたり、物を持ち上げたり、字を書いたり、キーボードを打ったり、といった基本的な動作さえ出来なくなり、様々な要因により、脱力、しびれ、うずき、炎症、圧痛、手首の動かせない症状が現れ、日常生活に大きな支障が出てきます。
一方、指は怪我のきっかけとして疑われる出来事があれば、骨折や腱の損傷を疑います。
家事や仕事、スポーツなどでの使い過ぎが関係の場合は、腱鞘炎や軟骨のすり減る関節症などの病気が考えられます。また、指につながる神経が首や肘、手の障害を受けて痛みを生じこともあります。
リスクの要因
球技やテニスなど、激しく手首を使うスポーツは手首を痛めるリスクがあり、プログラマーや美容師や大工など、手首に負担がかかる仕事が多いです。
今回は「TFCC損傷」「舟状骨骨折」「手根管症候群」について書きました。
・TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)
手首の小指側の位置にあり、2つの骨(橈骨、尺骨)の間を結んでいる靭帯や腱、軟骨などの軟部組織の構造をTFCCと呼びます。専門的には「三角線維軟骨複合体」と呼ばれ、英語表現(Triangular FibroCartilage Complex)の頭文字をとってTFCCと呼んでいます。
TFCCの正常状態は手首の小指側の安定性、支持性を与えています。役割としては手首の衝撃を吸収するクッションの役割や手首の回旋力(ドアノブを回す、キラキラ星の振り付けのような回す運動)が加わったときに、力の伝達、分散の役割をしています。
・原因
転倒などで強く手を衝いた際の外傷(一度の過度な負担で損傷が起きて治らなくなること)や使い過ぎや変性がある場合の軽微な外力で発生することもあり、加齢による組織の脆弱化、炎症などがあります。10~20歳代でよくみられます。
TFCC損傷のリスク因子(この要素を多く持つほど損傷にかかりやすい)
1、加齢
2、関節リウマチや痛風持ち
3、野球、テニス、ゴルフなどのスポーツ活動
・症状
タオルを絞ったり、ドアノブを回したりする動作や重い物を持つなどの際、手首を小指側に倒す動きや手首を捻る際に痛みが生じます。
また症状が強い場合は安静にしていても痛みを覚えることがあります。
動作の開始時に手の抜ける感覚を感じることもあり、手首の腫れ、可動域の制限などがあります。
・治療法
原因となる動作の中止と、手首の安静を図り、保存療法を行います。
テーピング固定やストレッチなどを行い徐々に痛みを取っていきます。
・舟状骨骨折
舟状骨は近位列手根骨に属し、形も大きく動く可動性も大きいです。そのために圧迫力、橈屈力、剪断力などの外力を受けやすく、手根骨骨折の中で最も発生頻度が高い骨折になります。手関節の捻挫として見落とされやすいので注意が必要になります。
舟状骨の栄養血管の多くは背面末梢側から入るので偽関節や骨折の骨片に阻血性壊死が起こる可能性が高い骨折です。
偽関節とは骨折した骨がつかず関節のように動くものです
偽関節の発生原因
(1)局所的原因
・局所に働く癒合障害作動力(剪断、屈曲力、牽引力、回旋力)
・血行状況不良部
・粉砕骨折による骨の欠損
・血腫分散および流出
・骨折端間に軟部組織の介在
(2)全身的原因
内分泌異常
栄養障害
原因
スポーツや交通事故による手を背屈してついたときにおこります。
分類
舟状骨は橈骨と周囲の手根骨の間で圧迫され、いろいろな型の骨折が起こります。
(1)結節部骨折
(2)遠位1/3部の骨折
(3)中央1/3部(腰部)の骨折→1番多い骨折
(4)近位1/3部の骨折
症状
(1)手関節とくにスナッフボックスの腫脹疼痛。
(2)手関節の運動制限と運動痛は伸展(背屈)かつ撓屈。
(3)局所すなわちスナッフボックスおよび舟状骨結節部の圧痛
(4)第1指(親指)、第2指(人差し指)の中手骨の骨軸に沿っての軸圧痛
(5)陳旧性(数週間)の場合、手関節の運動痛、運動制限、脱力感(腕立て伏せができない)
治療法
腫れや痛みが軽く、レントゲン写真でも骨折と判断できないような場合でも、ピンポイントで親指側の痛みや圧痛を訴えたりするようであれば、ボールを握った形で前腕まで固定していきます。
固定除去後は関節や筋肉が硬くなり、筋力低下も起きてしまうため関節可動域訓練や筋力訓練など行い機能改善を目指します。また、再度転倒しないようにバランス訓練や下肢、体幹の筋力強化なども必要になってきます。
物理療法
冷却(1週間後を目安として実施) 冷湿布、氷嚢、アイスパックなど
温罨法(1週間後を目安として開始するが、骨折付近の炎症が軽減していることを確認して実施)
電気療法:低周波電流療法、
温熱療法:変換熱療法(深部加熱)、超音波療法、超短波療法
手技療法:誘導マッサージ、軽擦法など
運動療法:手指自動運動(親指以外の)、手関節・前腕運動
・手根管症候群
手指や手首などを担う正中神経が、手首の手根管という狭い管の中で圧迫されることで、しびれや痛みが生じます。
手根管は手首の中央にあり、骨と靭帯に囲まれたトンネル状の空間で絞扼神経障害の中でもっとも頻発します。
原因
多くは特発性(原因が分からない)ことが多いです。
特に女性に多く発生し、出産後の閉経や、関節リウマチ、血液透析、甲状腺機能低下症、手をよく使う重労働の関連、骨折や脱臼の合併症として発症することもあります。
症状
人差し指、中指の中心にしびれや痛みがでます。しびれ感は親指から薬指に及ぶこともあり、夜間や明け方に痛みが強くなり、手を振ることで症状が改善したりすることがあります。
病状が進行すると親指の付け根(母指球)が痩せて、縫物やボタンかけのような細かい作業がやりづらくなり、親指や人差し指で丸を作ることが難しく、指先の感覚が鈍くなることで細かい作業がやりづらくなる原因になります。
検査法
パーフェクトテスト
・正常
陽性
ファーレンテスト
手の甲と甲をくっつけて、停止させたポジションを1分間維持させ、この間に痺れが誘発されるか増悪するかをみます。
治療法
原因となる動作の中止と、局所の安静をはかり保存療法で行います。
首の背(C6、C7)ずれての痺れや、手首の関節が歪みを起こして痛みや痺れがでる為、骨格を元の位置に戻すことで痛みが軽減されることもあります。
あいあい整骨院では患者様に合わせた治療をしており、痛みのある所だけでなく痛みに関わる原因に対しても根本的に治療していき必要に応じたストレッチやトレーニングもアドバイスできますのでお気軽にご相談下さい。