こんにちは。あいあい整骨院新保院です。
今回は肘の痛みや手首の痛みについて紹介していこうと思います。
⚪︎肘内障
学齢前、2〜4歳の小児特有の障害であり、非常に発生頻度の高いものの一つです。
多くの場合、親が手を引っ張った際に発生することから(肘引っ張り症候群)と別称され、繰り返し発生するものもあります。
(発生機序)
強い引っ張り力に前腕の回内位力が加わり、輪状靱帯の下を橈骨頭がくぐり抜ける(近位橈尺関節の亜脱臼)ことで発生するが、布団の上などで前腕回内位で腕を体幹の下にして転がっていて、腕が身体に巻き込まれ発生する例もあるので注意を要します。この年齢によくみられる全身性関節弛緩や、橈骨頭の大部分が軟骨成分であることなどが因子として考えられます。
(症状)
・多くは前腕回内位、肘関節軽度屈曲位になる
・肘関節運動に伴う肘関節外側の疼痛がみられる
・ある程度の肘関節屈曲および前腕回旋は可能であるが、それ以上の屈曲、回外強制には不安感、疼痛があり、上肢を動かせない
・局所の腫脹、発赤は見られない
肘内障を防ぐ為には、肘内障のことを理解して、お子さんと遊ぶ時などに手を引っ張ったりしないなどの注意が必要になります。
⚪︎野球肘
野球の投球による肘部の障害を野球肘と総称しているが、ゴルフやテニス(フォアハンド)などのスポーツでも発生する肘部の疼痛性運動障害である。また成長期(少年期)の過剰な投球動作などにより発生する野球肘はリトルリーガー肘と別称される。
(分類)
内側型(内側上顆・前腕回内屈筋群・内側側副靱帯・尺骨神経)
外側型(上腕骨小頭・橈骨頭)
後方型(肘頭)
(発生機序)
・内側型
内側型が大部分で、コッキング期から加速期にかけて肘にかかる強い外反力で前腕回内屈筋群が強く収縮し、また内側側副靱帯により強い引っ張りのストレスがかかり発生します。
・外側型
外側型は少ないが、加速期からフォロースルー期にかけて肘に強い外反力がかかり、上腕骨小頭と橈骨頭間に過度の圧迫力が働き発生します。
・後方型
フォロースルー期のボールリリース後は、肘関節は過伸展となり、肘頭と上腕骨肘頭窩間にインピンジメントが発生します。
(症状)
・内側型
内側上顆部の疼痛、腫脹、圧痛、軽度の肘伸展障害、投球動作時に疼痛があり、内側上顆炎、内側上顆裂離骨折、前腕回内屈筋群・内側側副靱帯損傷やその牽引による裂離骨折などが考えられます。将来的に、肘関節の不安定症や遅発性の尺骨神経麻痺の発生もあります。内側上顆炎の場合、日常生活で物を持ち上げたり、力を入れる動作で疼痛の増強を訴えます。
・外側型
強い圧迫力が加えられた結果、上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎を発生します。初期では投球時に外側部の疼痛は軽いが、関節遊離体(関節ねずみ)を生じ、関節内にロックすると突然発症したようにみえます。将来的に、変形性肘関節症にいたるものもあります。
・後方型
肘頭と上腕骨肘頭窩間でのインピンジメントの結果、成長期では、肘頭部骨端軟骨の成長障害、成人では肘頭の疲労骨折や上腕三頭筋の炎症などが発生します。
野球肘になった場合、保存療法が可能ではありますが、発育期のものは将来性を考えて長期的の治療が必要になります。投球はもちろんの事バッティングも禁止する必要があるでしょう。
⚪︎テニス肘
一般的に、テニスのバックハンドストロークで発生する上腕骨外側上顆炎による外側型の疼痛性運動障害をテニス肘というが、テニスのフォアハンドストロークにより内側上顆炎を発生する内側型の障害もある。病因は使いすぎであり、ラケット操作技術の低い初級者やラケットを支える筋力の弱い40〜50歳の女性に好発します。ゴルフやバドミントンなど他のスポーツ障害として、または手をよく使う作業をする者にも発生します。
(発生機序)
発生頻度が高く、バックハンドストロークで正確にボールをとらえることのできない時に受ける衝撃に、手関節の伸筋、特に短橈側手根伸筋で対抗しようとして、筋の起始部で変性を起こしたり、前腕浅層伸筋群付着部である外側上顆部の微小断裂、骨膜の炎症を起こしたりします。
(症状)
手関節背屈時やラケットのグリップ時に肘から前腕の疼痛や外側上顆付近の圧痛があり、熱感を有する場合もあります。日常生活では、回内位で物を持ち上げたり、タオルを絞る動作などの伸筋群が緊張する動作時に痛みを訴えます。
テニス肘になった場合、保存療法を継続すると数ヶ月で症状の改善がみられます。手の使用を最小限とし、局所の安静のための固定、テニス肘バンドを使用することも有用であります。疼痛が軽減すれば、ストレッチ、筋力増強訓練を行い、技術の習得、ラケットの変更など、再発予防に努めることがいいでしょう。
⚪︎三角線維軟骨複合体損傷(TFCC損傷)
(発生機序)
転倒などで強く手を衝いた際や、手関節から前腕に強い捻れ外力、とくに回内力が加わった際に発生するものと、手関節の使いすぎや変性がある場合の軽微な外力で発生するものがあります。変性の場合は、尺骨突き上げ症候群に合併して起こることが多いです。
(症状)
回内・回外運動時に疼痛とクリック感を訴え、尺屈させると疼痛は増強します。手関節尺側の尺骨頭と手根骨間に圧痛があります。尺骨茎状突起骨折などがある場合は、関節の不安定性がみられます。
TFCC損傷になった場合、原因となる動作を中止し患部の安静を図りましょう。症状の改善がみられない場合は、手術の適応になることもあります。
⚪︎ド・ケルバン病(腱鞘炎)
前腕伸筋群の長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の狭窄性腱鞘炎。50歳代と20歳代の女性に好発します。両側の発症は少ないですが、利き手に多いとは限りません。
(発生機序)
手関節および母指の過度の使用で発生します、妊娠や出産によるホルモン代謝の変化が関与することもあります。
(症状)
手関節や母指の運動痛がみられます。腫脹、圧痛、熱感、硬結を認めることもあります。
ド・ケルバン病になった場合、痛みの出ない肢位で安静を図りましょう。
熱感のある場合は冷やしましょう。
⚪︎手根管症候群
絞扼神経障害中、もっとも頻発します。手根管内を屈筋群の腱とともに通過する正中神経が圧迫されて発生します。
(発生機序)
骨折や脱臼の合併症としての発症もあるが、多くは原因が特定できていません。トンネルの狭小化を招く因子として、変形性関節症、関節リウマチ、ガングリオン、屈筋腱腱鞘炎、脂肪腫、透析によるアミロイド沈着などがあります。女性に多く、閉経後に発症することがあります。
(症状)
母指から薬指までのシビレ感があります。シビレ感は、早期に強く、手を振ることで軽減します。疼痛は手関節、手指に見られ、母指球は萎縮し、筋力低下が起こり、ボタンかけや、つまみ動作が不自由になります。
手根管症候群になった場合、局部の安静を図りましょう。症状の改善がみられない場合は、手術の適応になることがあります。
⚪︎尺骨神経管症候群
尺骨神経が尺骨神経管で絞扼されます。
(発生機序)
手根部の打撲やサイクリングによるハンドルでの長時間の圧迫、手を衝くスポーツ、ガングリオンによる圧迫が原因の大部分を占めます。
(症状)
薬指・小指のシビレ感、疼痛があり、巧緻運動障害が現れます。掌側の同部位に感覚障害が現れることがあります。
尺骨神経管症候群になった場合、局部の安静を図りましょう。症状の改善がみられない場合は、手術の適応になることがあります。
肘の痛みや手首の痛みの原因はさまざまですが、
多くは使いすぎであったり、使い方に問題があったりします。
あいあい整骨院では患者様に合わせた治療をしており、痛みのある所だけでなく痛みに関わる原因に対しても根本的に治療をしていき必要に応じたストレッチやトレーニングについてもアドバイスをしています。
何かお身体の事でお困りでしたら一度あいあい整骨院新保院までご相談ください!