こんにちは。あいあい整骨院です。
今回はバスケットボールで多い膝の痛みについてまとめていきたいと思います。
今、膝の症状で悩まれている方はもちろんのこと、実際にバスケットボールをされている方はどういうケガがあるのか。ケガをしないためにどうすればよいか参考にしていただければと思います。
目次
お皿(膝蓋骨)の下あたりが痛い
特に小学生~中学生のプレイヤーで上記の部位に痛みがある場合、以下の病態が考えられます
オスグッド・シュラッター病
大腿四頭筋の収縮が膝蓋骨の下あたりの部分(脛骨粗面)を繰り返し牽引することで発生します。患部の腫れや痛みが主な症状で、骨端症(子どもの骨が成長する時は骨端線という部分が増殖しながら大きくなっていきます。骨端症はその骨端線の部分が痛くなる子どもにみられる病気)の一つになります。症状が段々と進行すると脛骨粗面が引っ張られ膨隆していきます。骨端線が骨化する18歳頃には症状が消失することが多いですが、それまではランニングや階段の昇降といった大腿四頭筋を強く収縮させるような動作をすると痛みが強く現れます。
原因としては大腿四頭筋のストレッチ不足が主であり、ハムストリングスの筋力低下等も挙げられます。
ジャンパー膝
ダッシュ、ストップ、ジャンプなどの動作を繰り返し行うことにより、膝蓋骨下極部(膝蓋骨の下あたり)に痛みが生じるケガになります。バスケットボールだけでなくバレーボールも同じような動きをすることが多いため、様々な競技で発生するケガになります。原因としてはいわゆるオーバーユース(使いすぎ)によって生じます。症状としては運動をした際に膝蓋骨下極部に痛みがあるほか、同部に圧痛が認められることが多いです。また、うつ伏せの状態で他動的に膝を深く曲げると痛みが誘発されやすく、痛みのあまりお尻を浮かせてしまうような尻上がり現象が見られることもあります。
ジャンパー膝の治療法
まずはスポーツ活動の中止、そして、安静が基本になります。その上で、大腿四頭筋のストレッチやハムストリングスの筋力強化トレーニング。超音波治療や微弱電流(マイクロカレント)、テーピング。さらにはスクワットのフォームもこのケガには大きく関係していますので、それらの運動指導もあいあい整骨院では行っていきます。
期間・回数
最初は2~3日おきに通院していただき必要なアプローチを施していきます。症状の程度によりますが、スポーツの制限を厳守すれば大体1~2週間程度で症状が消失します。ただし、制限できない場合については試合形式の練習復帰まで平均6週間(約1か月半)、症状が進行していた場合には平均13週間(約3か月)程度かかります。
膝の中の方が痛い
相手と接触したり、相手をかわそうとして膝を捻るような姿勢となり、膝の中の方が痛むようであれば以下の病態が考えられます。
前十字靭帯損傷
ジャンプの着地や急にストップした時。また、急な方向転換をしたときに前十字靭帯を損傷、場合によっては断裂することもあります。受傷時には膝がずれた感覚やPOP音と呼ばれる断裂音を感じることもあります。前十字靭帯は太ももの骨である大腿骨とすねの骨である脛骨を繋ぎ、脛骨を前方、また内側に捻じる動きを制御する役割があるので、それらを損傷ないし断裂すると膝の痛みや不安定感が出てきます。時間の経過とともに腫れが強くなり段々と膝を曲げることが難しくなってきます。
前十字靭帯損傷の治療法
前十字靭帯が断裂してしまった場合、保存療法(手術をしない治療法)では切れてしまった靭帯の癒合は望めません。断裂した状態のまま日常生活やスポーツ活動を行うと膝に力が入りにくく膝くずれ(giving way)を起こしてしまい、結果として二次的に関節軟骨や半月板を痛めてしまうことになります。
したがって、あいあい整骨院では前十字靭帯を断裂してしまっているものは病院へ搬送し、専門の検査・治療を行うようにしております。
前十字靭帯を断裂していないもの、または前十字靭帯を断裂しているが保存療法で治療を進める場合については、まずは要安静。その後、患部の状態を見ながら膝関節の屈曲運動から徐々に機能訓練を行っていきます。
期間・回数
初期は2~3日おきに通院していただき、患部の状態を見ながら進めていきます。受傷してから2〜3週間はギプスや装具による固定。その後、硬性装具をつけ膝関節の可動域・筋力増強などの可動域訓練を実施し、スポーツ復帰は、3〜6カ月を目標にしています。
内側側副靭帯損傷
膝内側側副靭帯は膝関節の外反(逆“く”の字方向)と下腿の外旋(足先が外側に捻じる動き)を制御する役割を担っています。膝内側側副靭帯を痛めるときには過度な外反力が加わった時に制御できず損傷し、時に断裂してしまうことがあります。
症状としては、動かしたときに膝の内側に痛みがある運動痛や圧痛。また腫れも認める場合もあります。かなり激しく痛めた重症例では受傷時に断裂音(POP音)を聴取することもあります。膝内側側副靭帯損傷では本来の役割である膝外反の制御が利かなくなるので、外反動作の動揺が強くなります。(=外反ストレステスト陽性)
内側側副靭帯損傷の治療法
痛めてすぐはまず患部の安静、そしてアイシング、圧迫、挙上の応急処置(RICE処置)を行います。損傷が大きく膝関節の動揺が強ければ、膝関節を軽く曲げた状態で固定し体重をかけないようにします。
痛みや腫れなどの症状が落ち着いてくれば、固定を外し物理療法や大腿四頭筋、ハムストリングスを中心とした運動療法を行い、膝関節の機能訓練を行っていきます。
期間・回数
損傷のレベルによりますが、GradeⅠでは炎症や痛みがなくなれば1~2週間でのスポーツ復帰が可能です。Grade Ⅱでは4~6週間、Grade Ⅲでは8週間以上を目安としてスポーツ復帰を考えます。初期は2~3日おきの通院で患部の様子を見ながら治療を進めていきます。
半月板損傷
膝が曲がった状態もしくは伸びきった状態で下腿に捻じり(回旋動作)が起こった際に受傷します。半月板の単独損傷は少なく、多くは内側側副靭帯や前十字靭帯も一緒に損傷することが多いです。(=前十字靭帯損傷、内側側副靭帯損傷、半月板損傷を同時に損傷した場合をアンハッピートライアド(不幸の三徴候)とも言います)
膝関節は内側半月板と外側半月板がありますが、損傷している側の関節裂隙に体重をかけると痛みが出るほか(荷重時痛)や引っ掛かり感を伴った運動時痛、圧痛。また、膝の曲げ伸ばしが行いづらくなる嵌頓症状、ポキポキと音のなるクリック音、関節内に水腫や血腫といった症状が見られます。
半月板損傷の治療法
急性のケガで軽度なものであればRICE処置(安静、冷却、圧迫、挙上)をまず行います。その後、痛みや腫れが落ち着いてきたら物理療法や大腿四頭筋、ハムストリングスを中心とした運動療法を実施し、膝関節の機能回復に努めます。
ただし、関節水腫(血腫)や嵌頓症状を繰り返すもの、前十字靭帯などとの複合損傷は予後が悪いため、病院へ対診依頼し専門の検査・治療を行うよう紹介します。
期間・回数
損傷が小さく痛みが少ない場合は保存療法を選択し、初期は2~3日おきの通院で3カ月程度治療期間を要します。
タナ障害
別名、滑膜ヒダ障害とも言い膝関節の屈伸時に内側膝蓋大腿関節内に膝蓋内側滑膜ヒダが挟まれ、痛みが出ます。特に若い女性に多くみられるケガになります。症状としては運動時に膝蓋骨の内側やや下部に痛みや違和感があり、同部に圧痛も認められます。また、膝蓋骨屈伸でポキポキ音のなるクリックが触知され、著しいときはジャリジャリと雑音が聴取されるときもあります。
タナ障害の治療法
患部の包帯固定や運動の中止をし、安静にすることが基本となります。時間の経過とともに症状が落ち着くことが多いですが、なかなか症状が改善せず、強い痛みや膝の曲げ伸ばしが行いづらくなる嵌頓症状が残存する場合は病院へ送り、関節鏡視下に切除することもあります。
期間・回数
初期は2~3日おきの通院で患部の様子を見ていきます。大抵の場合は激しい運動を控え安静を保っていれば、徐々に炎症が治まって2ヶ月前後で症状が落ち着いてきます。
バスケットボールでの膝の痛みまとめ
これらに当てはまらない膝関節の痛みもあると思いますが、膝関節は立つ、歩くなど日常生活を送る上で非常に重要な役割を担っており、痛みがあれば普段の生活やスポーツ活動に影響を及ぼす可能性は大いにあります。
膝関節でお悩みの方は一度、あいあい整骨院にご来院いただければと思います。