こんにちは!あいあい整骨院大安寺院の中原です。
今回は『ロコモティブシンドローム』について書いていきたいと思います。
初めて耳にされる方も多いと思います。この機会に是非知っていただき、予防に努めていただければと思います。
- 『ロコモティブシンドローム』ってどんなものか知っていますか?
ロコモティブシンドロームとは、英語で移動することを表す「ロコモーション(locomotion)」、移動するための能力があることを表す「ロコモティブ(locomotive)」からつくった言葉で、移動するための能力が不足したり、衰えたりした状態を指し、ロコモとはその略称です。
人間が立つ、歩く、作業するといった、広い意味での運動のために必要な身体の仕組み全体を運動器といいます。運動器は骨・関節・筋肉・神経などで成り立っていますが、これらの組織の障害によって立ったり歩いたりするための身体能力(移動機能)が低下した状態が、ロコモなのです。ロコモが進行すると、将来介護が必要になるリスクが高くなります。
要支援や要介護になる原因の多くは転倒や骨折、関節の病気など運動器の故障であることはあまり知られていないのが現状です。
日本の平均寿命は世界各国と比較しても非常に高いことは皆さん、ご存知かと思います。
しかし、自分の足で立ち、歩き、生活していくことのできる“健康寿命”は平均寿命より短く、2019(令和元)年の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳に対し、健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳と男性では約9年、女性では約12年もの差があります。
健康な状態を損なわれると先にも記したような介護が必要な状態に陥ってしまいますので、この機会にまずは自分がどれくらいロコモになる可能性があるのかセルフチェックをしてみましょう!
- まずは簡単なロコモ度セルフチェックから!
あなたは何個チェック☑が入りますか??
- 片脚立ちで靴下がはけない
- 家の中でつまずいたりすべったりする
- 階段を上るのに手すりが必要である
- 家のやや重い仕事が困難である
- 2㎏程度(1Lの牛乳パック2個程度)の買い物をして持ち帰るのが困難である
- 15分くらい続けて歩くことができない
- 横断歩道を青信号で渡り歩けない
日常生活でよくあるシチュエーションかと思いますが、あなたはいくつ当てはまりましたか?
少し意地悪な聞き方をしてしまいましたが、実は…
7つの項目のうち、1つでも当てはまる項目があれば運動器が衰えているサインになり、1つも当てはまらないのがベストな状態です。
「1つも当てはまらなかった!」という方はそう多くないと思います。
年齢を重ねると身体機能の低下によりチェックがついてしまう方が多いかと思いますが、片脚立ちで靴下がはけないのは若い方でも出来ない方はたくさんいらっしゃいます。
しかし、これらができないから言ってすぐに寝たきりや介護が必要な状態になってしまうというわけではありません。ですが、積み重なると段々とチェックが一つから二つ、二つから三つと増えていき、関節や軟部組織に負担がかかり続ける→痛みが出始め、最後には立つ、歩くができなくなってしまうのです。
そうならないためにも、今のうちから少しずつ運動やトレーニングをしていき、1日でも長く元気な状態を保っていく必要があるのです!
先ほどの検査は簡便なものであり、どこでも誰でも行えるものとなっていますが、実際に病院や整骨院などでは以下の3つの検査をして、その方の機能を総合的に判断します。
- 立ち上がりテスト(下肢筋力を調べる)
このテストでは下肢筋力を測ります。
片脚または両脚で座った姿勢から立ち上がれるかによってロコモ度を判定します。
下肢筋力が弱まると移動機能が低下するため、立ち上がり動作が困難な場合、ロコモの可能性があります。
立ち上がりテストの方法
台は40㎝、30㎝、20㎝、10㎝の4種類の高さがあり、両脚または片脚で行います。
両脚の場合
まず40㎝の台に両腕を組んで腰かけます。このとき両脚は肩幅くらいに広げ、床に対して脛(すね)がおよそ70度(40㎝の台の場合)になるようにして、反動をつけずに立ち上がり、そのまま3秒間保持します。
片脚の場合
40㎝の台から両脚で立ち上がれたら、片脚でテストをします。基本姿勢に戻り、左右どちらかの脚を上げます。この時上げた方の脚の膝は軽く曲げます。反動をつけずに立ち上がり、そのまま3秒間保持してください。
- まずは両脚40㎝でテストします。できなかった方はロコモ度3です。
出来た方は次に片脚40㎝をテストします。
- 片脚40㎝ができた場合/できなかった場合
できた
→10㎝ずつ低い台に移り、片脚ずつテストします。左右とも片脚で立ち上がれた一番低い台がテスト結果です。
できなかった
→30㎝から始め、両脚での立ち上がりをテストします。両足で立ち上がれた一番低い台がテスト結果です。
結果判定
ロコモ度1
どちらか一方の脚で40㎝の台から立ち上がれないが、両脚で20㎝の台から立ち上がれる
→移動機能の低下が始まっている状態です
ロコモ度2
両脚で20㎝の台から立ち上がれないが、30㎝の台から立ち上がれる
→移動機能の低下が進行している状態です
ロコモ度3
両脚で30㎝の台から立ち上がれない
→移動機能の低下が進行し、社会参加に支障をきたしている状態です
※画像挿入
- 2ステップテスト(歩幅を調べる)
このテストでは歩幅からロコモ度を測定します。
歩幅をしらべることで、下肢の筋力・バランス能力・柔軟性などを含めた歩行能力を総合的に評価します。
2ステップテストの方法
- スタートラインの決め、両足のつま先を合わせます。
- 出来る限り大股で2歩歩き、両足を揃えます。(バランスを崩した場合を失敗とし、やり直します)
- 2回行って、良かったほうの記録を採用します。
- 次の計算式で2ステップ値を算出します。
2歩幅(㎝)÷身長(㎝)=2ステップ値
ロコモ度1
2ステップ値が1.1以上1.3未満
→移動機能の低下が始まっている状態です
ロコモ度2
2ステップ値が0.9以上1.1未満
→移動機能の低下が進行している状態です
ロコモ度3
2ステップ値が0.9未満
→移動機能の低下が進行し、社会参加に支障をきたしている状態です
- ロコモ25(体の状態・生活状況を調べる)
このテストでは、身体の状態、生活状況からロコモ度を測定します。
25の質問に全て答えて、あなたのロコモ度を調べます。
この1か月の体の痛みなどについてお聞きします | ||||||
Q1 | 首・肩・腕・手のどこかに痛み(しびれも含む)がありますか? | 痛くない | 少し痛い | 中程度
痛い |
かなり
痛い |
ひどく
痛い |
Q2 | 背中・腰・お尻のどこかに痛みがありますか? | 痛くない | 少し痛い | 中程度
痛い |
かなり
痛い |
ひどく
痛い |
Q3 | 下肢(脚の付け根、太もも、膝、ふくらはぎ、すね、足首、足)のどこかに痛み(しびれも含む)がありますか? | 痛くない | 少し痛い | 中程度
痛い |
かなり
痛い |
ひどく
痛い |
Q4 | 普段の生活で身体を動かすのはどの程度つらいと感じますか? | つらく
ない |
少し
つらい |
中程度
つらい |
かなり
強い |
ひどく
つらい |
この1か月の普段の生活についてお聞きします。 | ||||||
Q5 | ベッドや寝床から起きたり、横になったりするのはどの程度困難ですか? | 困難
でない |
少し
困難 |
中程度
困難 |
かなり
困難 |
ひどく
困難 |
Q6 | 腰掛けから立ち上がるのはどの程度困難ですか? | 困難
でない |
少し
困難 |
中程度
困難 |
かなり
困難 |
ひどく
困難 |
Q7 | 家の中を歩くのはどの程度困難ですか? | 困難
でない |
少し
困難 |
中程度
困難 |
かなり
困難 |
ひどく
困難 |
Q8 | シャツを着たり脱いだりするのはどの程度困難ですか? | 困難
でない |
少し
困難 |
中程度
困難 |
かなり
困難 |
ひどく
困難 |
Q9 | ズボンやパンツを着たり脱いだりするのはどの程度困難ですか? | 困難
でない |
少し
困難 |
中程度
困難 |
かなり
困難 |
ひどく
困難 |
Q10 | トイレで用足しをするのはどの程度困難ですか? | 困難
でない |
少し
困難 |
中程度
困難 |
かなり
困難 |
ひどく
困難 |
Q11 | お風呂で身体を洗うのはどの程度困難ですか? | 困難
でない |
少し
困難 |
中程度
困難 |
かなり
困難 |
ひどく
困難 |
Q12 | 階段の昇り降りはどの程度困難ですか? | 困難
でない |
少し
困難 |
中程度
困難 |
かなり
困難 |
ひどく
困難 |
Q13 | 急ぎ足で歩くのはどの程度困難ですか? | 困難
でない |
少し
困難 |
中程度
困難 |
かなり
困難 |
ひどく
困難 |
Q14 | 外に出かけるとき、身だしなみを整えるのはどの程度困難ですか? | 困難
でない |
少し
困難 |
中程度
困難 |
かなり
困難 |
ひどく
困難 |
Q15 | 休まずにどれくらい歩き続けることができますか(もっとも近いものを選んでください)? | 2‐3㎞
以上 |
1㎞程度 | 300m
程度 |
100m
程度 |
10m
程度 |
Q16 | 隣・近所に外出するのはどの程度困難ですか? | 困難
でない |
少し
困難 |
中程度
困難 |
かなり
困難 |
ひどく
困難 |
Q17 | 2㎏程度の買い物(1㍑の牛乳パック2個程度)をして持ち帰ることはどの程度困難ですか? | 困難
でない |
少し
困難 |
中程度
困難 |
かなり
困難 |
ひどく
困難 |
Q18 | 電車やバスを利用して外出するのはどの程度困難ですか? | 困難
でない |
少し
困難 |
中程度
困難 |
かなり
困難 |
ひどく
困難 |
Q19 | 家の軽い仕事(食事の準備や後始末、簡単な片付けなど)は、どの程度困難ですか? | 困難
でない |
少し
困難 |
中程度
困難 |
かなり
困難 |
ひどく
困難 |
Q20 | 家のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)は、どの程度困難ですか? | 困難
でない |
少し
困難 |
中程度
困難 |
かなり
困難 |
ひどく
困難 |
Q21 | スポーツや踊り(ジョギング、水泳、ゲートボール、ダンスなど)は、どの程度困難ですか? | 困難
でない |
少し
困難 |
中程度
困難 |
かなり
困難 |
ひどく
困難 |
Q22 | 親しい人や友人とのお付き合いを控えていますか? | 控えて
いない |
少し
控えている |
中程度
控えている |
かなり
控えている |
全く
控えている |
Q23 | 地域での活動やイベント、行事への参加を控えていますか? | 控えて
いない |
少し
控えている |
中程度
控えている |
かなり
控えている |
全く
控えている |
Q24 | 家の中で転ぶのではないかと不安ですか? | 不安は
ない |
少し
不安 |
中程度
不安 |
かなり
不安 |
ひどく
不安 |
Q25 | 先行き歩けなくなるのではないかと不安ですか? | 不安は
ない |
少し
不安 |
中程度
不安 |
かなり
不安 |
ひどく
不安 |
回答数を
記入してください→ |
0点=
|
1点= | 2点= | 3点= | 4点= |
回答結果を
加算してください→ |
合計 点 |
ロコモ度判定方法 | ||
ロコモ度1
7点以上16点未満 |
ロコモ度2
16点以上24点未満 |
ロコモ度3
24点以上 |
ロコモ度1…移動機能の低下が始まっている状態です。
ロコモ度2…移動機能の低下が進行している状態です。
ロコモ度3…移動機能の低下が進行し、社会参加に支障をきたしている状態です。
このような検査を行い、どこの筋力が足りないのか?普段の生活でどういうことに気を付けていく必要があるのか?日常でできるトレーニングやエクササイズはどういうものがあるのか?を我々施術者は常に考え、施術の中に取り入れています。
また、あいあい整骨院では施術はもちろんのことEMSやリハサクといったものも準備しております。
- EMSとは?
EMSとはElectrical Muscle Stimulationの頭文字をとったもので、電気の刺激によって筋肉を動かし、筋力トレーニングのような効果が期待できる機械のことをいいます。
このEMSでは比較的表面にあるアウターマッスルという筋肉だけでなく正しい姿勢を維持する際に働くインナーマッスル(いわゆる体幹)までアプローチすることができます。
- リハサクとは?
ストレッチやトレーニング、リハビリメニューやケア、テーピングなど、それぞれの患者さんに必要なメニューを選び、動画をお送りするシステムです。普段お使いのスマートフォンに動画をお送りしますので、通院日・時間以外でも見ることができ、ポイントを抑えながら行うことができます。また、「スマートフォンの操作が苦手でよく分からない…」といった患者さんも多いので、その際はプリントにしてお渡しすることも可能です。
今回、セルフチェックをしてみてチェックが多く付いた方やロコモの可能性がある方も多いのではないかと思います。
ご自身もそうですが、周りの方でも身体の衰えを感じている方がいらっしゃれば、あいあい整骨院までご相談いただけますと問題解決に向けて計画を立てますので、お気軽にご連絡いただければと思います。