このような腰の痛みでお悩みではないですか?
- 一日中腰が重くてだるい。
- 朝の起き上がり時に腰に痛みが出る。
- お尻から足にかけてだるさや痛みが出る。
- お尻から足にかけて痺れが出る。
- 動くたびに腰がギクッとする。
- 長時間歩くと腰が痛くて歩けない。
いろんな腰の痛みの症状
ぎっくり腰(急性腰痛)
ぎっくり腰とは、正式には「急性腰痛症」と呼ばれています。
ほとんどの人は激痛に顔をしかめ、その場で横になったまま動けないほど。何の前ぶれもなく突然起こるので、ヨーロッパではぎっくり腰を「魔女の一撃」といいます。
原因は様々で、腰椎は5個の椎骨(背骨)で構成されていますが、それを支えている椎間板や関節、筋肉や靱帯などに 部分的な損傷が起こり、痛みがでるとされています。
これは強い捻挫(ねんざ)を起こしたのと同じ状態なので、腰の捻挫ともいわれます。
どんなときに起きるのかというと、顔を洗う時や、靴下を履く時など前屈みの姿勢になった時や、重い物を持ち上げた際などに起こります。
また、くしゃみをする時は腰に大きな負担がかかるため、くしゃみをする時は前の机や壁に手をついて行うと負担を軽減でき、腰痛の予防になります。
上記のようにぎっくり腰は、日常の何げない動作をしたときに、だれにでも起こりうるものなのです。
症状として、ほとんどは、一ヶ月以内に痛みは軽快又は消失してしまいますが、 急性腰痛を繰り返していると椎間板ヘルニアを合併したり慢性腰痛へ移行することがあり、 正しい対処の仕方が大切です。
痛みに個人差はありますが、最初の2~3日は「炎症期」と呼ばれ、炎症物質が大量に放出される時期の為、日常生活もままならない程の激痛に襲われます。その後は痛みを我慢すれば動ける程度の痛みがおおよそ1週間~10日程続きます。
症状が起きてすぐは、無理をせずに安静にしましょう。横になって、膝と股関節を曲げてエビのような状態で休むのが良いでしょう。
また、※炎症を抑えるため患部を冷やすことも効果的です。しかし冷やしすぎると皮膚を刺激して増悪することもあるので 氷嚢などをタオルでくるんで1回につき15分ほど冷やすのが良いと思われます。
痛みを我慢して無理に仕事を続けたり、 炎症が起こっているので発症当日は入浴も避けたほうが良いと思われます。
4日以上の長すぎる安静は回復を遅らせるとも言われているため、個人差はありますが、ある程度痛みが引いたら、安静を続けるよりは 適度に動くほうが早く回復すると考えられます。
また注意点として、2~3日の安静で効果がない場合や、 身体を動かさないのに腰痛がある、安静にしていても余計にひどくなっていくときなどは、 他の疾患も考える必要があります。
下肢に痛みやしびれがある、感覚障害がみられる、力が入らない場合。また、排尿障害などを伴っている場合などは、椎間板ヘルニア、脊椎すべり症、腫瘍なども考えられます。高齢の方で、骨粗鬆症の強い方などは圧迫骨折なども疑う必要があります。そういった場合は、専門機関への受診をおすすめすることもございます。
※炎症 炎症は何らかの有害な刺激により起こる体の防御反応です。炎症反応として、痛めたところが熱くなったり(熱感)、腫れたり、皮膚が赤くなったりします。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは?
坐骨神経痛はひとつの病名ではなく、坐骨神経という腰から足にむけて走行している神経が圧迫、刺激を受け、痛みやしびれなどの症状がでることを総称したものです。
そのため、原因は様々です。例えば、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などで現れる下半身への痛みやしびれも坐骨神経の圧迫により症状が出現するため、それも坐骨神経痛といえます。(坐骨神経は人の体の中で最も太い神経で、お尻から太ももの後ろ側を通り、ふくらはぎや足先へとつながっています)
症状
腰、お尻の痛み、お尻や太ももの裏から足へかけての痛み、シビレや痛みのため歩行が困難になったり、座っているのが辛い、などがあげられます。また、重傷例だと、感覚が鈍くなる(感覚異常)、下半身の左右の筋肉の太さにばらつきが出る(筋萎縮)、歩く際に症状がでて安静にすると軽快を繰り返す(間欠性破行)、おしっこや便が出にくい(膀胱直腸障害)なども出てきます。
原因
腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、梨状筋症候群などがあります。若年者20~40歳代は、「腰椎椎間板ヘルニア」と「梨状筋症候群」が多く、高齢者は「腰部脊柱管狭窄」と「腰椎椎間板ヘルニア」が多いといわれています。
※梨状筋症候群
梨状筋とは、脊椎の下部にある大きな三角形の骨(仙骨、または尾骨)の前面から、大腿骨の上にある外に突出した部分(大転子)に伸びている筋肉です。主に股関節を外に回旋させる時に作用します。その下を、骨盤からでてきた坐骨神経が通っています。座っている時や走っている時など、股関節を内側に回旋させた際に、梨状筋が伸ばされたり、梨状筋自体が何らかの影響で短縮することにより、坐骨神経の通り道が狭まり圧迫されることで慢性の持続的な痛み、チクチク感、またはしびれが、最初に殿部(お尻)に現れ、太ももとふくらはぎの裏側の全体に広がり、ときには足にまで及ぶことがあります。腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などに比べると稀な病気です。上記のように、坐骨神経痛とは症状のことをさし、原因となる病気は様々です。また、上記以外にも脊椎・脊髄のがんや骨盤内のがんも坐骨神経痛を伴うことがある病気です。しびれや痛みが強い、足の感覚が鈍い(おかしい)、おしっこや便が出にくい(膀胱直腸障害)、痛みでまともに歩けず、休憩すると症状が回復するを繰り返す(間欠性破行)など、症状の悪化がみられる場合、手術が必要になる場合があります。
不安に感じられた方は、まずは当院にお気軽にご相談ください。症状がひどい場合は、専門機関を受診されることをおすすめすることもございます。
腰椎分離症 分離すべり症
腰椎分離症というのは、脊椎の後ろ側の本来つながっているべき骨の連続性が絶たれてしまっている(=分離している)状態です。主に腰椎(背骨)の中でも下の方に生じやすく、スポーツを行う学童期(6-12歳)に多く発症することから原因は腰にかかる繰り返しの外力による疲労骨折と考えられています。
一般の人では5%程度の人が分離症になっており、スポーツ選手では30~40%の人が分離症になっているといわれています。主な症状は腰痛ですが、運動時には腰痛があっても普段はあまり症状がないこともあり、放置される例も少なくありません。しかし、早期にコルセットの装着やギプス固定などの適切な治療を行うことで骨折した部分の癒合が期待できます。したがって、お子さんに運動時の腰痛が生じた場合は、当院にお気軽にご相談ください。
分離症が放置された場合は、骨がくっつかず、脊椎と脊椎との間の安定性が損なわれてしまうため加齢とともに骨と骨との位置関係にずれが生じることがあります。この状態を脊椎分離すべり症と言います。すべりがひどくなると下肢の痛みやしびれが出現することもあり、専門機関への受診をお勧めすることもございます。
腰椎変性すべり症
背骨は、椎間板、靭帯、椎間関節により上下で連結していますが下の腰椎に対して、上の腰椎がずれてしまった状態をすべり症といいます。また、上の腰椎が前方にずれることが多くこの場合を「前方すべり」といいます。原因は、加齢性による腰椎の変性で脊椎を連結している部分の強度が低下し、背骨の体を支える機能や動きに対応する力が弱まることでずれが生じるものとされています。
主な症状は、初期には椎間板や関節由来の腰痛が主体ですが、進行すると脊柱管狭窄症を生じ、間欠性跛行(長い距離を歩くと痛み・しびれが強くなり、しゃがみこむと症状が軽減する)を認めたり、末期になると安静時にも下肢痛が出現するようになります。治療は保存療法(手術をしない)が原則ですが、症状の悪化や、進行が進むことにより、間欠性跛行や排尿障害がある場合には、手術を考えていただいた方が良いと思われます。症状が腰痛だけの場合には難しい判断になりますが、腰痛のために仕事や生活に支障を来している場合には手術治療を考えても良いでしょう。
※その場合は、当院から専門医への受診をおすすめすることもございます。
腰部脊柱管狭窄症
脊柱管狭窄症とは加齢、労働、あるいは背骨の病気による影響で変形した椎間板と、背骨や関節から突出した骨などにより、神経が圧迫されます。年をとると背骨が変形したり、椎間板が膨らんだり、背骨の後ろにある靱帯が厚くなってしまうことで、神経の通る脊柱管を狭めて(狭窄)、それによって神経が圧迫を受け、神経の血流が低下して脊柱管狭窄症が発症します。
※脊柱管とは、背骨、椎間板、関節、靱帯などで囲まれた脊髄の神経が通るトンネルです。
脊髄神経は、脊柱管を通り背骨からでて、手や足につながる神経です。
伊藤和磨(著).腰痛を治すからだの使い方. 株式会社池田書店.2011
症状
主な症状は、歩行時や立っているときに臀部から下肢にかけての痛みやしびれです。また、最も特徴的なものとして、間欠性跛行が多くの方にみられます。間欠性破行は、歩くと症状が悪化し、休むと症状が落ち着く、これを繰り返しおこすものです。また、前かがみになる姿勢をとると背骨と背骨との間隔が広がるため、圧迫が減り、症状が軽快することも特徴的です。症状が進行すると、下肢の力が落ちたり(筋萎縮)、肛門周囲のほてりや尿の出がわるくなったり、逆に尿が漏れる事(膀胱直腸障害)もあります。
※腰椎椎間板ヘルニアとの違い
脊柱管狭窄症、動作時に下半身にしびれや痛みが現れるのが特徴です。好発年齢は、ヘルニアが若年者であることに対して、脊柱管狭窄症は比較的高齢者の方に多いとされています。
手術が必要?
基本的には、保存療法(手術をしない)で、症状の改善、緩和を目指します。
しかし、症状の進行により、おしっこが出にくい(排尿障害)、排便障害を起こしている場合や、両下半身の筋力低下、が進んでいる場合は、早急に手術治療を受ける必要があります。
症状である痛みやしびれは、患者さんが感じる程度により個人差があるため、自身がどれだけ日常生活に支障をきたしているかで、保存療法にするか手術にするか医師と相談しましょう。
おかしいと思ったら・・・
「安静にすると楽になるから・・・」、「動かなければ大丈夫」と放置していると、病変が進行し、治療が困難になることもあります。なにかおかしいと思ったら、まずは当院にお気軽にご相談ください。症状がひどい場合は、専門機関への受診をおすすめすることもございます。